双方向無線モジュールを内蔵したアンテナ一体型GNSS受信機”HiPer II”を発売

マグネシウム筐体を採用した頑丈でコンパクトなオールインワンGNSS受信機
2010.04.07

株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、取締役社長:横倉 隆)は、双方向無線モジュールを内蔵し、現場での設置性を高めたアンテナ一体型2周波GNSS受信機(*1)を、国内で発売いたします。

測量作業においてRTK(*2)観測が主流になるに従い、機動性の高いRTKシステムの要求が高まってきました。トプコンは世界に先駆けてアンテナ一体型のGNSS受信機を開発し、バックパックレスのRTKスタイルを提案して、今やRTK観測のスタンダードスタイルになっています。今回発売するHiPer IIは、そのRTK観測スタイルを実現した製品であるGR-2000/2100(輸出名:HiPer)の後継機種と位置づけております。

HiPer IIは、マグネシウム筐体を採用することにより、過酷な現場作業に耐えうる頑丈さと従来機種比で約20%の軽量化・コンパクト化を図り、現場での取り回しの良さを向上させました。更にBluetooth®やSD/SDHCカード等の最新のテクノロジーと充実した機能を搭載し、使いやすさを格段に向上させています。また、ボイスメッセージによるガイダンス機能は、観測者があたかも受信機とコミュニケーションをとりながら作業を行っている様な作業感覚を得られます。国内でRTKを行う際に最もネックとなっていた無線通信に関しても、独自に新開発した小エリア無線を搭載しています。内蔵する小エリア無線に送受信機能を持たせることにより、従来は別途で固定局側無線機を設置しないとRTK観測を行う事ができませんでしたが、その手間の掛かる準備作業が不要になりました。ネットワーク型RTKにおいても、コントローラーに携帯通信カードを接続して利用可能です。これらにより、測量作業における全ての観測で、完全なケーブルレス化を実現しました。

数々のユーザーフレンドリーな機能を搭載したアンテナ一体型2周波GNSS受信機”HiPer II”は、RTK観測における新たなスタンダードを築いて参ります。

【開発の背景】
RTK観測が主流となるなかで、測量技術者からは既存のGNSS受信機に対し、設置が簡単で操作性が良く、機動性の高いGNSS受信機を求める声が高まっておりました。これらの要望に対し、現場で本当に使いやすい機器の開発を目指したのがHiPer IIです。高い機動性を実現する上で、あらゆる観測手法に対応するケーブルレス化を目指しました。ケーブルレス化をはかることで、操作性の向上、機材設置時の作業性の向上、ケーブル接続に関するトラブルフリーを実現できます。また、筐体をマグネシウムとすることで強靭性と軽量化の両立を図り、作業の負担軽減も含めた総合的な機動性の向上を目指しました。
さらに、ボイスメッセージ機能を搭載することで作業者が容易にGNSS受信機の状況を把握しやすくするなど1歩進んだ機能も搭載。HiPer IIはコスト、機能、使いやすさを高次元でバランスよく実現したGNSS受信機です。

【特長】

  • GPS+GLONASSへ対応したGNSS受信機
  • 軽量で頑丈なマグネシウム筐体
  • Bluetooth&小エリア無線モジュール内蔵
  • ボイスメッセージ機能搭載
  • 22LEDフロントパネル採用
  • SD/SDHCメモリカード対応
  • 着脱式バッテリー採用

【主な仕様】

受信信号GPS(L1, L2, L2C, C/A Code, P Code) GLONASS(L1, L2, C/A Code, P Code)
チャンネル数72ch
精度(スタティック)2周波:水平±(3mm+0.5ppm) 垂直±(5mm+0.5ppm)
1周波:水平±(3mm+0.8ppm) 垂直±(4mm+1.0ppm)
精度(RTK)水平±(10mm+1.0ppm) 垂直±(15mm+1.0ppm)
データ更新間隔10Hz(オプション:20Hz)
インターフェイスSD/SDHCメモリカードスロット、Bluetooth、RS-232Cポート
内蔵無線モデム(Mタイプモデルのみ)小エリア(新簡易)無線
寸法φ184mm×H95mm
質量1.30kg(無線内蔵タイプ:1.41kg)
消費電力4W
(無線モデム受信時:9.4W、無線モデム1W送信時:12.1W)
動作温度範囲-20℃〜+65℃(無線モデム動作時:-20℃〜50℃)
耐環境性IP67(JIS C0920)


【その他】
発売:2010年4月   
国内標準価格:オープン

【用語解説】
*1:GNSS受信機
測位衛星(米国のGPS衛星、ロシアのGLONASS衛星)からの信号を受信し座標情報を取得する装置。
*2:RTK
Real Time Kinematicの略。リアルタイムに数ミリ〜数センチ精度で位置座標を算出するGNSS測位手法。2セットのGNSS受信機を使用し、固定局側に設置されたGNSS受信機から移動局側のGNSS受信機へ無線や携帯電話の通信手段を利用して補正データを転送し、リアルタイムに位置座標を解析します。

【商標について】
*Bluetooth®はBluetooth SIG, Inc.の登録商標です。

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