眼疾患の早期発見を実現する先進技術開発のため インフォコム研究所と共同研究室を設立

眼疾患の早期発見により早期治療の実現と経済負担の軽減を図ります
2013.07.11

株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、取締役社長:平野 聡)は、緑内障、近視、加齢黄斑変性など、シンガポールでの主要な眼疾患の検出精度を高める先進技術を開発するため、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)※1のインフォコム研究所(I2R)※2と共同で、ATLANTIA(Advanced Technological Laboratory for A*STAR aNTopcon’s Innovative Alliance)共同研究室を設立します。

世界的な高齢化に伴い、眼疾患に起因する失明が増加しています。シンガポールでも緑内障による失明や加齢黄斑変性の患者数が増加しています。また、シンガポールは、世界で最も近視の多い地域の一つです。

この度設立するATLANTIA共同研究室は、トプコンの保有する先端計測技術およびデータマネージメント技術とI2Rの眼疾患自動検出ソフトウェア技術を融合し、眼疾患の検出精度の向上と検査時間短縮を目的とした自動検出技術を共同開発します。また、今回の共同研究により開発されたスクリーニング装置は、シンガポール国内で広く行われている眼科・眼鏡店での定期健診にも適用される技術と期待されます。さらに、クラウドベースのデータ解析および管理システムを共同開発することで、革新的なソフトウェアとハードウェアの統合を強化し、シンガポール国内のみならず全世界に広く提供され、医師、眼鏡店、患者に有益なシステムになると予想されます。

ATLANTIA共同研究室では、世界で唯一の波長掃引型光源を用いた眼底検査装置であるSwept-Source OCT(波長掃引型光干渉断層計)を使用します。この画期的な眼底検査装置により、眼底の断層像から眼疾患の原因を特定できると予想されます。また、I2Rの経験と専門知識を広く活用し、I2Rがこれまで開発してきたコンピュータ診断支援・スクリーニングプログラム類を用いて、主要な眼疾患の自動検出ソフトウェアの開発を目指します。

トプコンのアイケア・カンパニー社長、福間康文は次のように述べています。
「I2Rと共同研究室を設立できることは非常に光栄です。眼疾患の早期発見に向けて、トプコンはクラウドベースの検査および管理システムを開発しています。I2Rの強みは、従来の眼底平面画像のみならず断層画像からの画像認識ソフトウェアを開発する技術力です。このソフトウェアは当社のシステムに統合可能であり、眼疾患の早期発見を目指して相互に発展できる可能性があると感じています」

インフォコム研究所の所長、Dr. Tan Geok Leng氏は、次のように述べています。
「目は、世界を映す窓です。緑内障、近視、加齢黄斑変性などの眼疾患の早期発見により、患者の医療費を削減したり、痛みを緩和できる可能性があります。一般的眼疾患の悪化や失明に至る前に早期発見できる技術開発をトプコンと協力して進められることを非常に嬉しく思います」

※1:シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)
A*STARは、世界レベルの科学研究と人材育成を推進し、活気に満ちた知識基盤型のイノベーション主導経済を目指す、シンガポールの主要公的機関です。バイオポリスおよびフュージョノポリスとその周辺に位置する14の生体医科学、物理科学、工学研究機関、6のコンソーシアムとセンターを所管しています。A*STARは、産業パートナーに知的・人的・産業資本を提供することによって、シンガポールの主要経済団体を支援しています。また大学の学外研究および地域や国際的なパートナーも支援しています。
A*STARの詳細については、www.a-star.edu.sgをご覧ください。

※2:シンガポール国立インフォコム研究所(I2R)
I2Rは、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の傘下の組織で2002年に設立されました。I2Rのビジョンは、活気に満ちた強力な情報通信のエコシステムをシンガポールに形成することです。知識基盤型経済を目指し、世界レベルの情報通信メディア研究を促進して情報通信のプロフェショナルの才能あふれる人材の育成に努めています。インフォコム研究所は3つの部門(インテリジェンス、コミュニケーション、メディア)を持ち、IT、無線/光通信ネットワーク、インタラクティブデジタルメディア、信号処理/コンピューティングなどの研究を推進しています。

検索

Search