トプコンの技術、ポンペイのかつてない 保存・修復プロジェクトを支える

2012.10.24

株式会社トプコンの米国子会社、トプコン・ポジショニング・システムズ社および同社の社長兼CEO Ray O’Connor氏が、イタリアポンペイ市、イタリア政府およびイタリアの4大学からポンペイ遺跡の「保存および修復」への貢献により表彰されました。

現在のナポリ近郊に位置するポンペイは、西暦79年8月24日、ベスビオ火山の大噴火により半壊し、3~6mの火山灰や軽石の下に埋没し、その後1748年に発見されるまで1700年近く忘れ去られていました。
イタリアの主要な観光地で、1日2万5000人の観光客が訪れるポンペイ遺跡は、2011年の記録的な豪雨により文字通り「崩壊」しつつありました。イタリア政府はポンペイの保存のため、ナポリ大学とポンペイ市を通じて1億2000万ユーロの予算を割り当てました。

ポンペイの修復を開始する前に、現場のマッピングを行い地盤や建物の動きに関する精密な情報を得る必要があります。トプコンは、このプロジェクトに入札し、精密測定、マッピング、GIS機器およびソフトウエアを提供する契約を獲得しました。

このプロジェクトには、ポンペイを世界遺産に登録したユネスコ(国連教育科学文化機関)も関わっています。トプコンのイタリア子会社であるGEOTOP社が、政府当局者および4大学(ベネコンと呼ばれるコンソーシアム)と直接協力することになります。

O’Connor氏は、このプロジェクトに対する個人的な貢献により、ポンペイ市の「鍵」およびナポリ大学の建築学名誉修士を授与されることになりました。

O’Connor氏は「ポンペイ市長と名門ナポリ大学に認めていただいたことは確かに誠に光栄です。しかし、世界で最も重要かつ見事な遺跡のひとつを保存するという、素晴らしい協同事業に参画できることは、それよりもはるかに光栄なことです。今日の技術を使って、世界で最も重要かつ見事な過去の出来事を保存することで、未来の世代がそれを観察し研究できる、というところにやりがいを感じています」と述べています。

GEOTOP社の社長兼CEO Ivan Di Federico氏は「この遺跡は”イノベーションの実験室”となるでしょう。本プロジェクトの第一の目的は、3Dマッピングシステムの構築です。調査チームは、画像とレーザースキャナーによるデータを重ね合わせ、各地点間の距離を精密に計測することで、当時のポンペイの3D画像をバーチャルな形で高精度に再現します。これにより見学者は、火山が噴火する前のポンペイに立っているような感覚になり、当時ポンペイに住んでいたローマ人になったような気分を味わえます。また、ベネコンは、ポンペイとその歴史に関する既存の豊富な情報に、歴史的、自然的および化学的な背景を一体化した文化データベースを構築できる」と話しています。

こうした技術を遺跡に使用する世界初の試みであることに関して、Di Federico氏は「このプロジェクトはトプコンの最優先事項となり、米国カリフォルニア州リバモア、欧州、日本のトプコンの技術グループとのコラボレーションが行われることになるでしょう」と述べています。

トプコンが3年契約を締結したベネコン・コンソーシアム・ソサイエティは、ナポリ第二大学、フェデリコ2世大学、サレルノ大学、サンニオ大学の4大学で構成されています。

ポンペイ遺跡では、モバイルマッピングシステム、イメージングステーション、基準局GNSS受信機、GNSS受信機、フィールドアプリケーション用コントローラー、レーザースキャナー、アンテナ、ソフトウエアなどのトプコンの機器が使用されます。トプコンによる技術支援および専門知識の提供も契約に含まれています。

左からトプコン・ポジショニング・システムズ社長兼CEO Ray O’Connor氏、ポンペイ市Claudio D’Alessio市長、ナポリ第二大学建築学部学部長Carmine Gambardella教授

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