2022-11-01

会社員の副業として、社会貢献として、週末農業が増加中!?

目次

週末だけ農業に携わる「週末農業」を楽しむ会社員が増えています。働き方改革により副業が原則自由となり、作物を自ら育て販売する方達もいますが、「社会貢献」や「副業×社会貢献」のために農家を支えたい人が増加しているのが特徴です。

 

背景には、若者の農業に対するイメージの変化と農家にとっての深刻な人手不足があげられます。そこで考え出されたのが、農業に携わりたい人と農家を結ぶ新しい働き方や仕組みです。短期アルバイトやボランティアをインターネットで募集したり、アプリでマッチングしたりする等し、また国や自治体、農協もマッチングを推進することで、週末農業が盛り上がりを見せています。

 

ソーシャルグッドだから農業に関わる

 

若者、とりわけ1980年~2000年初めの間に生まれたミレニアル世代とZ世代は、社会貢献への意識が高く、その意識の貢献手段のひとつが、農業です。というのも、人的課題が深刻さを増す一方だからです。日本での農家の後継者不足や高齢化が加速していることで、将来における日本の農業の存続性、つまり日本の食への危機感を若者が持っているのです。だからこそ、この課題の解決は必須で、解決に向かうのが社会貢献になるという認識です。農業、農家を手助けすることは、社会へ良い影響を与えるソーシャルグッド」であると、若者は捉えているのです。

 

それならば就農へ、という流れにいかないのが現実の厳しいところ。そもそも農家の高齢化を引き起こす原因としては、若者の就農離れが大きく、問題点としては資金面や不安定な収入性が挙げられます。そのため、農業の課題に関わりたい若者は、就農ではなく、新しいビジネスの立ち上げや仕組みの開発によって解決したいという方向へ向かっているのです。

 

就農が無理ならば、と積極的に取り組まれているのが、意識の高い会社員の気持ちを掴む短期アルバイトやボランティアという形態です。春耕期、定植期、夏から秋にかけての収穫期などの時期に最も人手が必要になる農家にとって、短期間だけ働いてくれる人を見つけることはかなり難しいことでした。

 

しかし、新たな働き方の登場によって人材確保のハードルは下がってきています。

 

東京でも可能な援農ボランティア

農家の人手不足は、今に始まったわけではなく、サポートする動きは、以前からありました。例えば、金銭のやりとりなしで農作業を手伝う「援農」は1990年代から始まったとされています。都市部を中心とするボランティア活動で、現在も盛んに行われており、純粋に農家をサポートしたい、農業分野で社会貢献をしたい人には、こちらのスタイルが人気です。国も推進しているので、自治体が援農ボランティアの養成講座を開いたり、農協と協力して援農希望者のマッチングを斡旋してくれたりと支援の充実が図られています。

 

東京でも市町村を単位とした援農ボランティア事業が一部地域で運営されています。東京にも農家があり、その数は9,567戸(2020年調べ)農地がない地域に住む人のためには、市区町村の枠を外した広域型ボランティアを「東京農業の支え手」と位置づけ、気軽に活動ができる「とうきょう援農ボランティア」2013年にスタートさせました。新規登録者数は、2018年時点で80名だったところ、2020年には約5倍の426人へ一気に伸び、年代別でみると、20代は32%、30代は23%と、若者が半数以上を占めるようになりました。2019年のwebサイト導入によって、20代の登録者数が増え、派遣回数も右肩上がりになったとのことで、今後さらなる拡大、発展が期待できます。

 

一日だけのアルバイトで農業を守る

 

「農業をするから、農業もする時代へ」というコピーを掲げ、JAグループ北海道気軽に農業へ参加ができる機会の創出を目指した取り組み「パラレルノーカー」が始動したのは、2021年2月です。「パラレルノーカー」とは造語で、副業(複業)によって農業現場の新たな担い手になる人たちを指します。ここでは関連する仕事情報を紹介していますが、その一つに、1日単位でアルバイトを募集するアプリ「daywork」があります。農業分野に進出しているシステム開発・運営会社JAと協力して2019年に開発しました。サイトを見れば、「副業×社会貢献」であることを強調されており、「あなたの休みの日だけ農業アルバイトを通じて日本の農業を一緒に守っていきませんか?」と参加を促しています。

 

北海道の十勝地方で開始したところ、延べ4,000人以上のマッチングに成功。同地方だけでも2020年度の希望マッチング数は1万1,414件と増えています。利用農家は234戸でした(日本農業新聞2021年12月3日より)。現在は、北海道だけではなく、20近くの県に登録先が拡大され、80以上(2021年9月調べ)のJAに導入されています。利用者の満足度が高いことを知ると、このサービスが成功しているといえます。


申込みも農作業も未経験者が気軽に

 

1日アルバイトも援農ボランティアも、農家にとっての一番のメリットは、労働力の確保であり、求職者にとっては、農業経験がなくても気軽に申し込めることです。農作業への不安がないように丁寧な説明をする等の工夫がされているようですが、畑違いの人たちが今以上に農作業を手伝いやすくなるなら、農家の受け入れがより増え、週末農業によって農業を支える人もますます増えていくと予想されます。もしも未経験者が熟練者と同じ精度で作業を行えるとしたら。その「もしも」を叶えるのがトプコンの「GNSSガイダンスシステム」と「自動操舵システム」です。未経験者でも熟練者並みにトラクターを操作できるのです。これらの導入で、「農業」=「簡単」「カッコいい」という良いイメージを持たれ、定着すれば、アルバイトや援農ボランティアの取り組みが日本中に定着するようになり、人手不足の課題を解消できる日が近づくといえるでしょう。

 

トプコンは、2006年よりスマート農業に取り組んでいます。

https://www.topconpositioning.asia/jp/ja/products/products/agriculture/

<製品紹介>

経路誘導ナビシステム「GNSSガイダンスシステム」は、お持ちの機械に装着可能。モニターで走行ラインがわかり、走行ラインからのズレ量もcm単位で表示されるので、誰でも簡単にラインに合わせて作業することができます。オペレーター経験が浅い方や今まで不安があって運転作業できなかった人でも、熟練者と同じ精度での作業を行えます。

「自動操舵システム」は、どなたが作業してもハンドル操作不要で、田植え、畝立て、種まき、デントコーンの収穫作業といった多岐にわたる直視作業が高精度で行えます。お持ちの機械に装着するだけでラクラク自動化を実現しています。