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世界では、3.5人に1人、約22億人に視覚障害があるといわれています。さらに高齢化や生活習慣の変化に伴う眼疾患は増加傾向にあり、世界的な課題となっています。眼は人間の重要な器官で、日常生活で得られる情報の8割は眼から取り入れています。トプコンは、眼の健康維持のため眼疾患の早期発見・早期治療の仕組みづくりに取り組んでいます。
課題:世界的な眼疾患の増加と眼科医不足
世界的な高齢化や生活習慣の変化による眼疾患の増加
視覚障害がある人は世界で約22億人。視覚障害の原因には、失明に至る恐れのある緑内障や加齢黄斑変性、糖尿病網膜症という代表的な眼疾患に加え、老眼や強度の近視も含まれています(※1)。これらの眼疾患は、自覚症状が出るまで進行すると完治は難しいといわれています。
昨今、高齢化が進むなかで体の健康寿命は延びていますが、“眼の健康寿命”はそれに比例しておらず、加齢とともに眼疾患のリスクは高まっています。さらに、スマートフォンの普及などデジタル化が進む現代では、若年層でも近視の患者が増えていくことが予想されます。
それに対して、眼科医は世界で24万人程度といわれており、とりわけ新興国では眼科医不足によって診察・治療を受けられないまま失明に至る人もいるという深刻な状況です。
※1 WHO(世界保健機関)ビジョンに関する世界レポート(2019年)
対策:眼健診(スクリーニング)の仕組みづくり
眼科以外でスクリーニングを可能とすることで眼疾患を早期発見・早期治療
眼疾患は治療によって進行を遅らせることはできますが、完治することは難しいため、症状が進行する前の早期発見が大切です。眼科医は世界的に不足していますが、眼科医24万人に対して、内科医(かかりつけ医)は約200万人、眼鏡店やドラッグストアは約100万店舗あるといわれています。
このような身近な場所(*)で眼の健康診断を受けられれば、眼疾患の早期発見・早期治療が可能になります。トプコンは眼科専門医以外でも簡単に操作できるフルオート検査機器や遠隔で診察ができるシステムを組み合わせることで、眼の健康診断である眼健診(スクリーニング)の仕組みを普及させていくことが必要であると考えています。
*日本においては医師不在の眼鏡店及びドラッグストア等は対象外
未来:眼を通じた全身の健康維持
眼健診(スクリーニング)の普及で健康で快適な生活を
トプコンは眼科専門医以外でも簡単に操作できる検査機器の開発や、眼鏡店・ドラッグストアや健診センターなどとの連携によって眼健診(スクリーニング)の推進に貢献しています。スクリーニングの仕組みが世界中で普及すれば、より多くの人の失明リスクを減らすことができます。
さらに最近では、認知症や動脈硬化など眼疾患以外の病気の症状を、眼底画像から検出するような研究も発表されています(※2)( ※3)。トプコンは「眼は身体の窓『Healthcare Through the Eye』」を使命として、眼と全身の健康維持につながるよう、眼健診を推進し、より多くの人が健康で快適な生活を送れる未来を目指しています。
※2 Peter J Snyder, Jessica Alber et al. Retinal imaging in Alzheimer’s and neurodegenerative diseases. 2021 Jan;17(1):103-111.
※3 Wong TY, Klein R, Couper DJ, Cooper LS, Shahar E, Hubbard LD, Wofford MR, Sharrett AR. Retinal microvascular abnormalities and incident stroke: the Atherosclerosis Risk in Communities Study. Lancet. 2001; 358:1134–1140.