ウェアラブル端末システムがLN-100の優れた作業効率をさらに加速する
大浦工測株式会社様は「私たちは正しく『測る』を通して社会に貢献する」をモットーとした、建築測量(墨出し工事)のスペシャリスト企業である。そんな同社が、駅前再開発工事で地盤改良杭の墨出し(位置決め)に、レイアウトナビゲーターLN-100を新しい使い方で墨出し作業を行っているということでお話を伺った。
将来を見越してワンマンシステムを導入
同社取締役工事部長の山口健二(やまぐちけんじ)様に導入の経緯から伺った。「今まで墨出し作業には、マニュアルタイプのトータルステーションを使って、2名体制で行っていました。現場の様々な作業に対応する必要があるため、作業員の人数を確保していたのです。ただ、今後は社会状況から見て、作業員の減少も考慮せざるを得ません。そのような中、トプコンからLN-100を、千代田測器株式会社様から眼鏡型ウェアラブル端末(スマートグラス)を使用した墨出しシステムT-Mark.Naviを紹介されたのです。今後を見据えた結果、導入に至りました」。
LN-100の長所を引き出すウェアラブル端末システム
本現場の同社職長である後藤聖浩(ごとうまさひろ)様に、使い勝手を伺った。「私たちだけではないと思いますが、今まで慣れ親しんだ方法を変えることに、少なからず不安はありました。ただ本システムは、その不安を完全に払拭して、非常に便利ということが、率直な感想です」。
T-Mark.Naviとは、当社のTopLayoutとスマートグラスをシステムアップし、LN-100用の墨出しシステムとして千代田測器株式会社様が販売している。
通常LN-100での墨出しは、片手にプリズムを持ち、もう一方の手に持ったスマートフォンに表示される誘導画面を見ながら作業を行う。それが本システムでは、誘導画面はスマートグラスに表示させ、一部音声操作も可能だ。結果、片手は空くことになる。「プリズムを正確に立てるには両手を使った方が安定しますし、墨出しにはペンやスプレーは必須です。いちいちスマートフォンを置いたりポケットにしまったりすることなく、さっとマーキングできますから、作業スピードは速いですね。また、音声操作が可能なことも、作業スピードのアップに繋がっています」。
山口様に導入効果を伺った。「現場の状況によって異なるかもしれませんが、従来方法と作業時間を比較すると、概ね1/3になっています。加えて作業員が2名から1名となりますので、トータルの作業効率としては3倍くらいになっているでしょうか」。
長いときには、4時間近く使い続けるとのこと。これを伺って、懸念が浮かんだ。果たして、片方の目の前にずっとディスプレーが映っていることに、違和感や眼の疲れはないのか?と。
そんな心配も、後藤様は一蹴した。「全く問題ありません。我々は今までも、片目でずっとトータルステーションの望遠鏡を覗き、もう片方の眼でプリズムマンを見ながら指示出しや、周囲の状況を確認しながら作業をしていましたので、眼の切り替えには慣れています。使っているうちに、自然と視線を外すこともできるようになっていますし、違和感はありません」。
同社では、LN-100本体についても好印象をいただいている。「設置も据えて電源を入れるだけなので、非常に簡単です。また、プリズムの追尾能力が高いことや応答速度が良いことで誘導画面の動きも小気味よく、まさに”リアルタイム”を感じられます。このシステムにLN-100 はぴったりです」。

広がる可能性に期待
最後に、お二方に今後の活用について伺った。「今の工程では、平面の墨出しに使用していますが、本システムは3次元座標に対応していますので、柱の建て入れにも使ってみるつもりです。また、何かを誘導する使い方にも、応用できるかもしれません。新しいシステムですから、これから模索して用途を広げて行きたいですね」。

山口健二 様

後藤聖浩 様
ユーザ名:大浦工測株式会社
URL:http://www.oura.co.jp
使用機種:
レイアウトナビゲーター LN-100
ウェアラブル墨出しシステム T-Mark.Navi
取材協力:千代田測器株式会社
URL:https://www.chiyodasokki.jp/
T-Mark.Naviシステム開発元:大成建設株式会社