GSX2の持つ機動性が迅速な観測と安全な作業遂行に貢献
作業の更なる効率化を目指してGNSSを導入
広島市に本社を構える河井建設工業株式会社様は、地域に根ざして多種多彩なニーズと人々の思いを大切にし、社員1人ひとりが建設工事への熱いスピリットを持つ総合建設業である。同社は、国際拠点港湾である広島港港湾施設整備事業の埋立造成工事を受注、埋立作業中の地盤高や護岸の変位を計測するため、土木測量に特化したGNSS受信機GSX2と電子野帳プログラムSDR8シビルマスター+GNSSオプションを導入した。既に同社は道路改良工事において、トータルステーションによるワンマン測量の実績があり、非常に便利なものだと認識されている。今回の現場ではなぜGNSSシステムを導入したのかを取材した。
まず同社土木部主任の山路展弘(やまじのぶひろ)様からGSX2の導入の経緯について伺った。「現場の広さは50,000m2あり、260点の地盤高を測ります。土を入れた部分がほぼ固まった時点で測り始めるのですが、落ち着くまで日を置いて何度も測る必要があるのです。また、延長500mの護岸も、入れた土の圧によって動いてしまう可能性がありますので、毎日変位をチェックします。こちらが29点。計測点が多いので、作業効率を最優先に検討し、また要求される精度も十分満たしていることからGSX2の導入となりました」。
測量作業時間は半分以下に想像以上の導入効果
それでは、実際使われてみてどうだったのか。山路様は続ける。「想像以上に測量の作業時間を短縮することができました。トータルステーションのワンマン観測に比べても作業時間は半分以下になったでしょうか。BS観測は必要ありませんから、設置から観測開始までの時間が非常に速いです。また、トータルステーションの場合に必要な視通は、埋立用の土の山や、動き回る重機によって遮られてしまうことが多く、20回くらいは器械点の移動が必要だったと思うのです。器械点移動の必要が無いことも、時間短縮に大きな効果がありました。さらにもう1つ、多くの重機が稼働しているので、安全性を確保するためには機動性も重要なポイントです。動きやすいシステム構成や軽い機材であることも、この現場にマッチしていると思います」。
最後に山路様へ今後の展開について伺った。「現在若手3名で操作方法の習得や活用方法の検討をしています。今回の現場は作業土工ですが、いずれは道路土工にも応用したいと考えています。GNSSとトータルステーション双方の得意な部分を見極めて、現場にあったシステム選択ができる体制を整えていきたいですね」。



ユーザ名:河井建設工業株式会社
URL:http://www.kawaikensetsu.co.jp
使用機種:
GNSS受信機 GSX2
取材協力:株式会社山陽測器
URL:http://www.sanyou-sokki.co.jp