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世界では、 貧困や自然災害などに伴い、10人に1人が十分な食糧を得られず飢えに苦しんでいるといわれています。今後、人口増加により1人当たりの農作物の作付け面積は減少。さらに異常気象の頻発化により世界的に穀物の収穫量も不安定になっています。トプコンは、安定した食糧生産のため農業の生産性と品質の向上に取り組んでいます。
課題:食糧不足への懸念と不安定な農作物収穫量
世界の人口増加や気候変動による不安定な食糧需給
世界で飢えに苦しむ人は8億人。アフリカで2億7800万人(アフリカ全人口の5人に1人)、アジアにおいても4億2500万人が飢餓状態にあるといわれています(※1)。現在の世界人口は約80億人ですが、2050年には97億人に達すると見込まれています。これに対して農作物の作付面積は限られており、さらには昨今の気候変動の影響で収穫量も不安定なことから、すべての人を満たす食糧生産はより一層難しくなっていく可能性があります。
加えて近年では、不安定な世界情勢によって燃料価格や肥料価格が高騰しており、生産コストの上昇も懸念されています。国連が目標としている飢餓の撲滅を2030年までに達成するには、これからの10年間で世界の農業生産性を28%向上させることが必要とされています(※2)。
※1 国連「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI) 2022年版」
※2 OECD(経済協力開発機構)・FAO(国連食糧農業機関)発表「農業見通し2022-2031」
対策:農業の工場化
農機の自動運転やデータの一元管理で生産性と品質を向上
すべての人に行き渡る十分な食糧を生産するには、限られた農地で生産性を最大化することが重要です。しかし、農機の正確な操作や、農作物に与える適切な水・肥料の散布場所や分量は農家の熟練の経験や勘、技能に依存しているのが実状です。
トプコンは農作業のデジタル化・自動化を進め、取得したデータを経年分析し見える化することで、肥料などの散布量を最適化し、作業の効率化や収量の最大化、品質向上につながるソリューションを提供します。具体的には農機の自動操舵システムや、穀物の生育状態を簡単に解析できる生育センサー、また、農作業の様々なデータを一元管理するシステムを組み合わせることで、農作業を工場のように効率よく管理する「農業の工場化」が必要であると考えています。
未来:地球環境にやさしい農業の実現
持続可能な農業で誰もが豊かな恵みを受けられる食生活を
「農業の工場化」により生産性や品質の向上を図ることで、トプコンは食糧不足への懸念を解消することに貢献していきます。また、農機の自動操舵システムの導入により稼働時間を2割低減することができるため、CO2削減につながります。加えて、生育データを活用して肥料、農薬や水の使用を適切に管理することで、土壌汚染の防止や水の節約にもつながります。
飢餓の撲滅にとどまらず、地球環境にも貢献できる「農業の工場化」で、持続可能な農業を推進し、誰もが豊かな恵みを受けられる未来を目指しています。