2024-03-28

1日単位で農業ができる!
新しい農業の働き方とは?

目次

農業の人手不足が問題になる昨今、「農業に興味がある」「農家の役に立ちたい」といった思いから会社員といった非農家が農業に携わろうとしても、そのハードルはなかなか高いのが現実です。そんな中、単発の農業バイトに特化したサービスが増加しています。ある農業マッチングサイトでは全国のJA(農業協同組合)とも連携し、大手企業で働く社員が副業やボランティアとして農作業する取り組みもスタートしました。地域農業のボトルネックでもある人手不足を解消し、農業規模の拡大や地域振興も期待できるサービスを通じて、今後の農業経営のあり方を探ります。

農業の人手不足を取り巻く問題

近年、農業は高齢化や担い手不足などから人手不足の問題が深刻化しています。しかし、農業は繁忙期と閑散期の差が激しいことから通年雇用も難しく、可能であれば限られた時期=繁忙期のみ労働力がほしいというのが農家の本音です。

その一方で、昨今は物価上昇の反動から食料生産への関心が高まっていたり、また、農業そのもののイメージが変わってきていることから、農業体験や産地交流が人気に。「農業に携わってみたい」「自分の都合に合わせて農業に挑戦してみたい」と思う人が増えています。しかし、これまでの農業界は数週間単位で連続した雇用が当たり前だったため、農業への参加をあきらめている人が多いのが現実でした。

しかし、コロナ禍など時代の変化に伴い、人々の働き方や意識が大きく変わったことで、農作業に関しても関わる機会を提供するサービスが増えてきました。その中でも注目されているのが、農業マッチングサイトや1日単位で働ける農業バイトです。

空いている隙間時間で農業。1日単位で働ける農業バイトとは?

農家と働き手を結びつけるサービスとして注目を集めているのが、1日農業バイトアプリ「daywork(デイワーク)」。同アプリが注目される最たる理由は、1日単位で農業バイトができること。農家がスマホアプリで日程と作業内容、日給などを明記して募集をかけると登録者にマッチングされ、条件に問題がなければ直接雇用契約が結べる仕組みになっています。例えるなら、求職者はヘアサロンの予約をする感覚で農業バイトが選べるといったもの。条件によっては数時間のバイトや初心者歓迎のバイトも多く、その手軽さが人気につながっているようです。

同アプリは全国各地のJAと協力して開発されたため、2019年の開始以来、2022年までで延べ8万2,000人以上のマッチングに成功。JAが協力することから農家と求職者の双方のニーズを的確にとらえているのが特徴で、農家はピンポイントで労働力を確保することができ、逆に働き手は空いた時間を利用して働けたり、農業者から農業のノウハウを学ぶ機会を得たりなど、双方にとってもメリットが高い点が急拡大に繋がっていると考えられます。

そのほかにも、日本初の農業マッチングサービスとして話題になった「農How(ノウハウ)」は、農家と働き手をマッチングするだけでなく、働き手に向けた農作業マニュアルが完備され、農業が初めての人でもスムーズに働けるよう工夫されていることも特徴。また、「おてつたび」は、旅行する感覚で人手不足の地域を訪れ、農業のお手伝いをする人をマッチングするサイトに。そして、「あぐりナビ」は、日本最大級の農業求人数を誇る求人サイトとして、期間限定のアルバイトをはじめ、正社員やインターンシップなど多様な人材募集に対応しています。

コロナ禍を経て新たな働き方へ。大手企業も農家に労働力を斡旋

コロナ禍を経て、農業の労働力として新たに注目されているのが企業の働き方です。企業においてはリモートワークが浸透し、副業が解禁になるなど、企業人が農業の労働力として活躍できる条件が整ってきました。

 

そこで、農林水産省が「農業労働力確保支援事業」として、2023年6月からJR東日本を含む複数の民間企業が、山形県と長野県で前出の「daywork」を活用し、社員の副業・ボランティアによる農作業支援に乗り出すことに。まずは実証実験としてスタートし、その後は他の企業の募集も予定しているそうです。これにより、農繁期の人手不足解消だけでなく、企業側にとっては農作業を通して新しい事業を生み出すヒントにもなり、また、交流人口も拡大することから地域農業の振興や地域活性化にも一役を買うことが期待されています。

初心者でも快適な農業が実現するトプコンのスマート農業機器

農業の新たな戦力として期待が寄せられる農業バイトですが、農業未経験者も多いため、作業効率をどのように向上させるかが農家にとっての今後の課題です。そこで注目されるのが、ロボット技術やICT技術を活用したスマート農業です。スマート農業の導入により、作業が自動化できれば、農業の熟練者でなくても従来の作業が可能になるため、農業バイト・農業ボランティアであっても生産性を高く保つことが期待できます。

 

トプコンではスマート農業にいち早く取り組み、技術面での負担を軽減する製品「GNSSガイダンスシステム」や「自動操舵システム」などを開発。農作業における省力・軽労化を可能にし、農業経験が浅い人であっても熟練者並みの効率のいい作業を実現しています。

 

今の時代に合った新しい農業の働き方を応援し、農家が抱える問題解決を図ることがトプコンの目指すところ。トプコンは様々な技術で農業者をサポートしていきます。

トプコンは、2006年よりスマート農業に取り組んでいます。

トプコンのスマート農業

 

〈参考情報〉

農林水産省プレスリリース「民間企業による「副業・ボランティアによる農作業支援」の取組が山形県と長野県で始まります!」