国土地理院入札でGPS受信機を大口受注
電子基準点用GPS受信機 360セットを受注株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、取締役社長:横倉 隆)は、国土交通省国土地理院が実施した電子基準点(GPS連続観測システム)用GPS受信機の入札で360セットの大型受注を獲得しました。受注したGPS受信機の電子基準点への設置作業は2010年3月末までに完了する予定です。
国土交通省国土地理院により、1993年から電子基準点の整備が開始され、2009年3月末現在、全国に1,236箇所の電子基準点が稼動しており、リアルタイムに観測データを提供しています。電子基準点は、地震国である日本の地殻変動をリアルタイムに捉え、地震発生時の速報などで多くの成果をあげています。また、近年では公共測量*1、ネットワーク型RTK-GPS*2向けのデータサービス、気象予報など多岐にわたり活用の幅が広がり、欠かすことのできないインフラとなっています。
しかしながら、設置から10年以上の歳月が経過しており、機材の老朽化が懸念されることから、360箇所の機材更新が行われることになりました。今回更新されるGPS受信機は、GPS信号の近代化計画として整備が予定されているL2C信号*3およびL5信号*4の受信能力を有した受信機となっています。あわせて、電子基準点から観測データを取得・管理するためのシステムの更新も含まれており、新世代の電子基準点網構築に向け、大きな足がかりとなります。
当社は、今年4月以降ではインドネシア、中国、フランス向けにも電子基準点システムを受注、納品を開始するなど、国内をはじめ世界各国での電子基準点網整備に貢献しています。
【用語解説】
*1 公共測量:測量に要する費用の全部若しくは一部を国又は公共団体が負担し、又は補助して行う測量※国土交通省国土地理院ホームページ記述より抜粋
*2 ネットワーク型RTK-GPS:RTKの観測手法の一種であり、電子基準点からの合成波を補正データとして利用する手法。
*3 L2C信号:周波数1227.6MHzのL2帯信号は従来、軍事目的の信号のみを搭載していたが民間用信号としてL2Cの運用を開始した。2009年7月1日現在でL2C信号に対応したGPS衛星は7機稼動しています。
*4 L5信号:GPSの新周波数として1176.45MHzのL5帯信号が追加される。2008年に最初の1機が打上げられ、現在、試験中です。