可搬性に優れ、基準点なしで自動的に真北測定を行うオートジャイロステーション「GYRO X Ⅱ」を発売

2012.10.09

株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、取締役社長:内田 憲男)は、SOKKIAブランドにおいて、自動で真北測定を可能にするオートジャイロステーション「GYRO X II」を発売いたします。

ジャイロステーションとは、ジャイロ部とトータルステーションによって構成され、真北測定に加え、トータルステーションで様々な測量を行うことができる測量機です。

当社は国内で唯一、世界でも数社しかないジャイロステーションメーカーであり*1、SOKKIAブランドにおいて30年以上、観測者の目で指針を読むことで測定を行う「マニュアルタイプ」のジャイロステーションを作り続けてまいりました。昨年、指針の読み取りを画像処理化するとともに、モータードライブを搭載したトータルステーションを採用した「GYRO X」シリーズを発売、今回はこのトータルステーション部を最新の自動視準トータルステーション「SX」シリーズへとリニューアルしたものです。

ジャイロステーションの主な用途は、シールド掘削工事などに伴う中心線測量や、造船などの閉塞空間での基準点の無い場所での測量です。また、アンテナや送電線の正確な方向設定や日照権に関わる図面作成にも役立ちます。
「GYRO X II」は、トータルステーションの測角精度により2種類あります。
測角精度1” : GYRO1X II / 測角精度3” : GYRO3X II

オートジャイロステーション GYRO X II

【主な特徴】

時間、天候、場所に制限されることのない真北測定
真北測定の方法は、GNSS観測やトラバース測量による基準点移設、太陽観測、コンパスなどいくつかあります。しかし、これらは、観測点上空の視界や測点間の視通を確保する必要がある、曇天や雨天では観測できない、夜間やGNSS衛星が不足する時間帯は観測できないなど、場所、天候、時間等の周囲環境の制約が伴います。ジャイロステーションによる真北測定は歳差運動の原理を応用し、周囲環境に制約を受けません。

■高い機動力
ジャイロ部の質量は4kgです。トータルステーション、三脚合わせ装備一式を1人で持ち運びでき、可搬性に優れています。三脚もトータルステーション用を使用するため、設置に特別な技能を必要とせず、素早く設置できます。

■測定時間19分 *2
予備測定として追尾測定を8分、本測定として追尾測定もしくは時間測定を11分、合計19分の測定で、真北方向を測定できます。当社従来からのマニュアルタイプでは、40分以上必要としたため、当社マニュアルタイプ比50%以上の時間短縮を実現しています。

■測定精度15” *3
指針の読み取りを画像処理化するとともに、独自のプログラムによるデリケートなモーター制御による自動測定となっています。その結果、測定精度15”を実現しています。

■簡単操作とヒューマンエラーの解消
1.ジャイロステーションをおおよそ北に向ける
2.クランプをリリースする
3.測定ボタンを押す操作はこの3ステップのみで、初心者でも簡単に真北測定を行うことができます。
また、自動測定のため、指針の読み取り誤差や、時間測定のタイミング誤差など、作業者の技量に依存する人的誤差が発生しません。したがって、観測者の熟練度に左右されることなく、安定した高精度な成果が得られます。

■作業ストレスの大幅な軽減
当社従来からのマニュアルタイプでは、測定中指針を覗き続ける必要がありました。自動測定化により指針を見続ける必要がないため、作業ストレスを大幅に軽減しています。
また、ベースとなるトータルステーションには、自動視準タイプの最新機種「SX」シリーズを採用することで、真北測定後に行う測量においても、作業ストレスの軽減や作業効率の向上が期待できます。

【その他】
発売時期:2012年10月
販売価格:本体標準価格オープン価格

*1 2012年9月末現在。当社調べ。
*2 予備測定は反転点2点を測定する追尾測定、本測定は反転点3点を測定する追尾測定または時間測定です。また、 ジャイロモーターの特性上、観測地の緯度により反転時間は増減し、測定時間19分は緯度35度の場合となります。
*3 測定開始前の望遠鏡の向きが、追尾測定では真北方向から±2°の範囲内、時間測定では真北方向から±20’の範囲であること。またトータルステーション部の傾斜が±3’以内であることが条件です。

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