土木作業に最適化したGNSS受信機「HiPerⅡ土木セット」とアプリケーションソフト「監督さん.V+GNSSオプション」を同時発売
土木作業の効率とNETIS技術点評価、工事成績評価点も向上株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、取締役社長:横倉 隆)は、アンテナ一体型2周波GNSS受信機*1HiPer II*2
を土木現場向けに特化した「HiPerII土木セット」と、新開発のアプリケーションソフト「監督さん.V+GNSSオプション」を国内で同時発売いたします。
HiPerIIと新ソフトを用いた作業は、国土交通省が運用する公共工事等における新技術活用システムのデータベース「NETIS(ネティス)」に「少実績優良技術」*3として認定されており、技術点評価や工事成績評定で加点が得られるメリットがあります。これにより公共工事への入札で評価を高めることが可能となります。
「HiPerII土木セット」は、RTK観測*4 に必要な固定局用と移動局用の2台のGNSS受信機とバッテリー類を1つのケースに収納したセットです。GNSS受信機には、トプコン伝統のハイブリッド測位であるGPS+GLONASSデータ受信タイプを用意いたしました。米国のGPS衛星だけでなくロシアのGLONASS衛星も利用できますので、GPSだけでは観測のできなかった場所でも安定した観測が可能となります。ケースには、作業時に使用するデータコレクタや基盤なども同時に収納でき、現場での持ち運びに便利です。
「監督さん.V+GNSSオプション」は、GNSS受信機を使用し、高さ管理、横断測量、度量管理、杭設置(誘導)、出来高、出来形測量などの土木作業に関わる位置座標算出を作業者一人で効率的に行うことができるアプリケーションソフトです。ソフトは、GNSS受信機やトータルステーションのコントロールやデータの取得を行うデータコレクタで使用します。なお、本ソフトはトータルステーションの観測にも対応しています。
当社は、「HiPerII土木セット」と「監督さん.V+GNSSオプション」の販売を通じ、土木分野における観測作業の効率向上と省力化を支援し、GNSS受信機の一層の土木市場拡大を図るとともに、今後も魅力的な商品づくりに努めてまいります。


【開発の背景】
ICT(情報通信技術)を活用した新しい施工方法である情報化施工の普及により、土木現場ではRTK観測が主流となってきています。これは、GNSS受信機を使用しリアルタイムに数ミリメートルから数センチメートルの精度で位置座標を算出するもので、この手法の広がりとともに、ユーザーからは機動性が高く、より作業効率の良いシステムを求める要望が高まってきました。
当社は2010年4月にこれまでにない利便性を高めた2周波GNSS受信機HiPerIIを発売いたしましたが、本機を2台セットとし、さらに土木作業に適した専用ソフトを開発することで付加価値を高めた提案の実現を図りました。
【用語解説】
*1:GNSS受信機測位衛星(米国のGPS衛星、ロシアのGLONASS衛星)からの信号を受信し座標情報を取得する装置。
*2:HiPerII双方向無線モジュールとアンテナを装備し、面倒な無線機の設置や接続を不要とした2周波GNSS受信機。
高い衛星信号の捕捉能力を備え、精度は水平±1cm、垂直±1.5cm。本体はわずか1.4キログラムと当社は従来機比約20%の軽量化を図り、常に移動しつつ観測を行う作業者の負担軽減を図りました。観測時には音声による衛星の捕捉状況等を知らせるガイダンス機能も装備しました。
*3:少実績優良技術技術の優位性が高いと評価は得られているものの、直轄工事等における実績が少なく技術の安定性が確認されていない技術。「HiPer II」と「監督さん.V+GNSSオプション」は、三次元設計データを用いた計測及び誘導システム NETIS登録番号:KT-060150-Vとして認定されています。*4:RTK( Real Time Kinematicの略)リアルタイムに数ミリメートル〜数センチメートルの精度で位置座標を算出するGNSS測位手法。2セットのGNSS受信機を使用し、固定局側に設置されたGNSS受信機から移動局側のGNSS受信機へ無線や携帯電話の通信手段を利用して補正データを転送し、リアルタイムに位置座標を解析することができます。
【HiPerII土木観測セット構成品】
HiPerII受信機本体 | GGDMモデル2台 |
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バッテリーBDC58(Li-ion) | 4個 |
急速充電器セットCDC68-11 | 2個 |
格納ケース(大)* | 1個 |
その他付属品 |
*土木セット構成品の他、基盤、プリズムアダプター、データコレクタ、ポールブラケットが収納できます。構成品外は別売品となります。
【HiPerII特長】
- 軽量で頑丈なマグネシウム筐体
- Bluetooth&小エリア無線モジュール内蔵
- ボイスメッセージ機能搭載
- 22LEDフロントパネル採用
- SD/SDHCメモリカード対応
- 着脱式バッテリー採用
【HiPerII主な仕様】
受信信号 | GPS(L1 , L2, L2C, C/A Code, P Code) GLONASS(L1 , L2, C/A Code, P Code) |
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チャンネル数 | 72ch |
精度(スタティック) | 2周波:水平±(3mm+0.5ppm) 垂直±(5mm+0.5ppm) 1周波:水平±(3mm+0.8ppm) 垂直±(4mm+1.0ppm) |
精度(RTK) | 水平±(10mm+1.0ppm) 垂直±(15mm+1.0ppm) |
データ更新間隔 | 10Hz(オプション:20Hz) |
インターフェイス | SD/SDHCメモリカードスロット、Bluetooth®、RS-232Cポート |
内蔵無線モデム(Mタイプモデルのみ) | 小エリア(新簡易)無線 |
寸法 | φ184mm×H95mm |
質量 | 1.30kg(無線内蔵タイプ:1.41kg) |
耐環境性 | IP67(JIS C0920) |
【その他】
発売 | 2011年2月 |
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国内標準価格 | HiPerII土木観測セット オープン価格 監督さん.V+GNSSオプション ソフトウェア オープン価格 |
【商標について】
※Bluetooth®は、Bluetooth SIG, Inc.の登録商標です。