オートレベルの新製品 “AT-Bシリーズ” 発売

ロングセラーのAT-Gシリーズをフルモデルチェンジ
2010.05.20

株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、取締役社長:横倉 隆)は、オートレベルの新製品”AT-Bシリーズ”2機種を、日本を含むアジア地域で発売いたします。

オートレベルは、測量、土木、建築、内装工事など、広範な分野で利用される光学測量機です。土地の標高を求める水準測量から内装工事の水平出しまで、要求精度や価格帯に応じた数多くの製品が販売されています。

トプコンは、1990年の発売以来20年間ご好評をいただいてきた”AT-Gシリーズ”をフルモデルチェンジしました。新製品の”AT-Bシリーズ”は、高品質と使い勝手を追求したオートレベルです。従来1mまたは50cmだった最短合焦距離を、望遠鏡先端から20cmに短縮。目の前の壁や柱にピントを合わせることが可能となり、内装工事や狭い路地等での作業効率を高めます。自動的に望遠鏡視準線*1を水平に保つコンペンセーター(自動補正機構)の制動機構*2には、マグネットダンパー方式を採用。素早く高精度に水平を出し、かつ微震動に揺るがない安定性を両立しました。また水平角測定用の目盛盤にカバーを追加し、紫外線や砂・土などによる目盛の劣化を防止します。望遠鏡接眼レンズ直下に配置した窓により、最小の視線移動で角度を読み取ることができます。

モデルチェンジに伴い、従来の最上位機種AT-G1の後継機は廃止しました。高精度な水準測量が、より効率の高い電子式デジタルレベルDL-500シリーズに置き換わったことを受け、ラインアップの合理化を行いました。なお、最短合焦距離0mが好評の”AT-M3”は、従来通り販売を継続します。これによりトプコンのオートレベルは、AT-B2・AT-B3・AT-M3 の3機種となります。

【開発の背景】
トプコンは1961年の初代”AT型オートレベル”発売以来、半世紀にわたりオートレベルのパイオニアとして市場をリードしてきました。
今回のフルモデルチェンジにおいては、従来以上の品質を確保し、使い勝手を更に向上させることで、新たなスタンダードとなるオートレベルを目指しました。

【特長】

  • 最短合焦距離 20cm
  • 高い精度・信頼性・安定性を実現するマグネットダンパー方式のコンペンセーター
  • 1km往復標準偏差0.7mm / 1.5mm の2機種
  • 強雨に耐える防水性能 IPx6

【主な仕様】

機種名AT-B2AT-B3
倍率32X28X
対物有効径42mm36mm
分解能力3″3.5″
最短合焦距離(望遠鏡先端より)0.2m0.2m
精度(1km往復標準偏差、JIS B7912-2:2006)
オプチカルマイクロメーター(オプション)使用時
0.7mm
0.5mm
1.5mm
コンペンセーター
制動方式
補正範囲

マグネットダンパー
±15’
円形気泡管感度10’ / 2mm
寸法215(D)×130(W)×140(H) mm
質量1.85kg1.7kg
使用温度範囲-20℃〜50℃
耐環境性IPX6(JIS C0920:2003)

【その他】
発売:2010年5月
国内標準価格:オープン価格

【用語解説】
*1:望遠鏡視準線
 望遠鏡を通して見通すライン。視準線が水平であることを基準として高さや比高を測定します。
*2:制動機構
オートレベルのコンペンセーターには、一般に光学部品を吊り下げた振り子が使われます。振り子は制動機構がなければいつまでも揺れ続け、レベルの視準線が安定しないため測定ができません。良い制動機構の条件は、1)振り子の動きを素早く止める、2)正しい位置で止める、3)細かい振動に対して過敏でない、4)温度変化など周囲環境の影響を受けにくい、など。代表的な方式として、磁力を利用したマグネットダンパー式(磁気制動方式)と、シリンダーとピストンを組み合わせたエアーダンパー式(空気制動方式)があります。

■オートレベル AT-Bシリーズ/AT-M3 製品情報ページ

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