トプコン、歩くだけで3D計測を実現するモバイルスキャナー『D-H100』を発売

SLAM技術の活用により、3Dデータの計測作業を大幅に効率化
2025.09.18

株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、代表取締役社長 CEO 江藤 隆志)は、当社の新ブランド「XYeeZ(エクシーズ)」より、最新のSLAM技術を活用し、「どこでも」「簡単に」「歩くだけ」で周囲の空間を高精度に3Dモデル化できるモバイルスキャナー『D-H100』を発売します。

近年、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術は、「自分がどこにいるのかを推定する(自己位置推定)」と「その周囲の環境を把握する(地図作成)」を同時に行えるリアルタイム空間把握手法として、測量・建設業界で注目を集めています。

『D-H100』は、このSLAM技術を活用することで、狭所や細部、複雑な構造物であっても“歩くだけ”で迅速に3Dデータを取得できます。このような現況測量はもちろん、森林や山間部、災害現場など、他の3D計測手法では困難な現場や、構造物の計測、短時間で広範囲を取得したい場合など、現場の状況に応じて柔軟に対応できるよう、ハンディタイプとバックパックタイプ(オプション)の2種類をラインアップしました。あらゆる現場で3Dデータの取得を可能とし、現場の“見える化”を支援します。

当社はこれからも、建設現場のニーズへ柔軟に対応し、ICTを活用してさらなる働き方改革や生産性の向上を図り、業界の課題を解決する建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献していきます。

主な特長

選べる計測スタイル

軽快かつシンプルな計測スタイルで手軽に詳細な計測が可能なハンディタイプ、広範囲の計測を短時間で効率的に取得できるバックパックタイプ(オプション)と、用途に応じてフレキシブルに使い分けが可能です。複雑な形状の建物や入り組んだ空間でも、移動しながらスキャンできるため、地上型3DレーザースキャナーやUAVでは計測が困難だった場所でも、簡単かつ効率的にデータ取得が行えます。

座標付けにも対応

ハンディタイプでは、地上の基準点を記録することで公共座標に対応可能です。バックパックタイプ(オプション)では、RTKやPPKにも対応しているため、衛星測位によって得られた位置情報を基に座標付けが行えます。

小型でも高性能なスキャナーユニット

16ラインのレーザースキャナーユニットにより、最大320,000点/秒の高速スキャンが可能です。スキャン範囲は最大120mで、屋内外を問わず効率的な計測を実現します。

2つの専用ソフトウェア

『D-H100 Field』は、Android™タブレットで動作する専用のフィールドソフトウェアです。『D-H100』本体の設定やデータ取得をタブレット1台で完結でき、直感的な操作とリアルタイム表示により、計測漏れのない確実なデータ取得を支援します。『LiDAR360MLS』は、PC用のオフィス向け解析ソフトウェアです。基準点を用いた公共座標への取り付けやRTK軌跡解析、AIを活用した特徴物の分類など、多様な解析機能を備えています。解析後の点群データは、LAS形式をはじめ、さまざまな形式で出力可能です。

【新ブランド「XYeeZ(エクシーズ)」について】

「XYeeZ(エクシーズ)」は、当社がこれまで培ってきた技術を活かした高精度な測量機器と最新の位置情報技術をさらに強化し、ポジショニング技術の未来を切り拓くことを目的として誕生した新ブランドです。ブランド名には、“座標”を意味する「XYZ」と、超越するという意味を持つ 「Exceeds」を掛け合わせ、「現実を超えるソリューション」を提供するという想いが込められています。ロゴマークは「XYZ」からあらわされる3次元空間と、右斜め上に「越えて」いく矢印を合わせてイメージしています。

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発売時期:2025年9月

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