タイ スマート農業 実証実験へのMOUを締結

コメ、トウモロコシをはじめ5作物の実証実験に協力
2019.10.16

株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、代表取締役社長:平野 聡)は、2019年9月20日タイ農業省(MOAC)とスマート農業の開発協力に関する基本合意書(MOU)の調印を行いました。

本合意に基づき、タイ政府が推進するコメ、カッサバ(芋)、トウモロコシ、サトウキビ、パイナップルへのスマート農業実証実験に参画し当社の保有するスマート農業ソリューションを提供します。

タイのスマート農業推進計画は、政府が国家プロジェクトとして掲げる長期経済開発計画の「タイランド4.0」に基づき、最新技術を活用した農業の生産性の向上、コストの削減を目指すものであり、タイの主要産業である農業を次世代に向けて発展させる為の重要な実証実験と位置付けられています。

タイは国土の4割が農地であり、農業がGDPに占める比率や、農地面積、農業雇用、農村人口など多くの関連指標は、他のASEAN諸国と比べても高いものの、1ヘクタールごとの生産性及び品質がASEAN諸国と比較して低いことが課題として挙げられており、今回の実証実験はスマート農業用のビッグデータプラットフォームを今後作成発展させる上で重要な役割を果たします。

今回トプコンは、タイ農業省とともに農機用の自動操舵(オートステアリング)システム、レーザー式生育センサーCropSpec、整地用のランドレベリングシステムを活用し、生産性の向上、コストの削減効果の検証を実証実験にて行います。

左: Mr. Anan Suwannarat MOAC事務次官
右: 木村 新(あらた) スマートインフラ事業本部 統括(事業開発・アジアビジネス 統括)
調印式にて:MOAC事務次官、農業大臣補佐、他調印企業

■トプコンのスマート農業への取組み
「『医・食・住』に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献する」を経営理念に掲げる当社は、「食(Agriculture)」の事業分野において、世界的な人口増加に伴う食糧不足に対処すべくIT農業ソリューションの充実に努め、農業の生産性及び品質の向上を目指しています。

土木におけるICT施工で培った精密GNSS技術を利用した自動制御技術を応用し、営農サイクルの計画、種まき、施肥、農薬散布、収穫などの効率化を実現してきました。また、レーザー式生育センサー「CropSpec」や自動操舵システム、可変散布システムの組み合わせで農薬散布や追肥の最適化を実現するソリューションを提供しています。

■今回提供するソリューションの紹介
https://www.topcon.co.jp/positioning/products/product/agri/

① 自動操舵(オートステアリング)システム
精密GNSS技術を用いて2~3cm精度でトラクタの位置を測位し、その情報をもとに設定された線上を走るようトラクタを自動で操舵するシステム。オペレーターの疲労軽減、夜間作業、真っすぐな田植え・播種による収量増加、作業記録等が可能になります。

② レーザー式生育センサー CropSpec
トラクタに取り付けて圃場内を走るだけでリアルタイムに生育状況を計測できるレーザーセンサー。GNSSと組み合わせることで、正確な位置情報に基づいた生育マップを作製、また圃場内の各エリアの生育度に合わせた量の肥料を可変施肥可能。これにより、肥料の過不足をなくし、生育状況を均一化できます。

③ 整地用のランドレベリングシステム
圃場内の地形の凸凹は水の流れに影響し、水が多いところでは根腐れ・少ないところでは枯れを引き起こします。ランドレベリングシステムはGNSS、又はレーザーを用いて、平らな圃場へ整地し、水の流れを最適化します。

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