グローバルに通用する“はかる”技術の源泉とは。他社の追従を許さないトプコンのコア技術
――精密光学技術・センシング技術・自動化技術・画像処理技術の強みを、社内技術者5名が語る。
対話を通じて、競争力の背景にある技術と思想をひも解く。

(集合写真左上段から)
Topcon Healthcare, Inc. VP, Software Engineering Applications 窪田 篤司
アイケア先端開発部 主査 Zaixing Mao
アイケア設計部光学設計課 課長 中島 将
アイケア先端開発部 上席主査 秋葉 正博
スマートインフラ プロダクト開発部 上席主査 東海林 直樹

光学技術の強み

幾何光学、波動光学などの基礎技術を深く理解し、用途や対象に応じて独自に応用・進化させてきました。ポジショニング分野では光学と電子計測を融合させ、アイケア分野では眼軸長や屈折異常など多様な目の特性に対応した精密な光学設計を実現しています。特に、動いている眼球にも正確に追従するアクティブセンシング技術は、長年にわたる開発経験に裏打ちされた成果です。収差補正や広角撮影にも対応した高精度な検査データを提供することで、トプコンならではの“見える化”を支える中核技術となっています。

センシング技術の強み

 光学技術に加え、エレクトロフォトニクスを活用した測距・測角技術を核に、使用環境や目的に応じて最適化されたセンサーソリューションを提供しています。その精度は100メートル先でも1ミリ未満という高精度。地上のさまざまな環境だけでなく、空中や高温・低温・振動などの過酷な条件下でも安定した測定性能を発揮できる点が、トプコンの大きな強みです。さらに、GNSSレシーバのチップ化により、従来は複雑だった位置情報の抽出もリアルタイムで処理可能となっています。トプコンのセンシング技術は次世代の計測テクノロジーとして高く評価されています。

自動化技術の強み

 確実なデータ収集を実現するための自動化計測技術に加え、収集されたデータを多様なユーザに届けられることを目指した、“データの民主化”を念頭に技術開発を行っています。アイケア分野では撮影から診断支援まで、複雑な眼科診療のワークフローを最小限の操作で完了できる自動化技術によって革新。電動化された精密光学機器と画像処理・AIの連携により、再撮影の頻度を低減。診断の効率化を図ることで、現場の業務効率とデータ収集の質を向上させています。また、標準フォーマットによる外部連携を通じて、蓄積されたデータは将来の技術開発にも活用されます。

画像処理技術の強み

 独自に開発した計測装置や検査装置の機能を高めるために、計測ハードウェアを熟知したうえで点群処理や画像処理を一体化させた技術開発が最大の特長だと思います。アイケア分野では、独自の画像処理技術とAIアルゴリズムを組み合わせることで、ノイズの低減や病変検出の精度向上を実現。光学技術で取得した高品質なデータを臨床的価値のある情報へリアルタイムで変換し、診断支援の“質”を高めることで、患者と医師の双方に貢献しています。

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