ピレネー山脈の氷河調査を支援(フランス)
2023年9月、トプコンとTERIA社*は、スペインとフランスの国境に位置するピレネー山脈の中央部にあるアルクーザン氷河の調査活動を共同支援しました。
アルクーザン氷河は、その地理的・地形的条件から、気候変動の影響を理解する上で重要な役割を果たしていました。北東側面は1年を通して陽が差し込まず、冬にはモンヴァリエ山からの雪が降り積もるため、氷河が溶けにくく、気温上昇の影響を受けにくいと考えられてきました。事実、以前の測定結果では2005年~2018年の間、氷河の表面積は増加したとされており、地球規模で氷河が減少しているという事実とは異なる例外的な存在でした。
気候変動が地球全体に与える影響を解明するため、測量士、国立公園ガイド、科学者など様々な分野の専門家たちがこの活動に参加しました。また、標高地での調査活動では、過酷な環境に左右されない堅牢性、操作性、そして特にデータの正確性が測定機材に求められましたが、3Dレーザースキャナー GLS-2200などのトプコン製品はその期待に十分に応える結果となり、調査結果から新たな事実が見えてきました。
調査結果は、アルクーザン氷河でも氷の融解と体積の減少があり、想定よりも気候変動の影響を受けていることを証明しました。夏の気温上昇と冬の降水量の減少により、2016年以降、氷河の体積と表面積が大幅に減少しており、特にこの数年で氷河の厚みが3.9メートル薄くなっているなど、これまでの考えを数値的に否定するものでした。
氷河調査は、気候変動の程度をはかる重要な指標となりうることを示しており、今後の地球環境の研究を後押しするものとして期待が寄せられています。
トプコンは、「医」「食」「住」分野の事業を通じて、SDGsの達成、持続可能な社会の発展、人々の豊かな暮らしの実現に貢献しています。
* 地理空間データやGNSS技術ソリューションを提供するフランスのテクノロジー企業。
■ Topcon Positioning のサステイナビリティ取り組み www.topconpositioning.com/articles/listening-to-the-whispering-ice-of-arcouzan
■ Listening to the whispering ice of Arcouzan www.topconpositioning.com/articles/listening-to-the-whispering-ice-of-arcouzan