オービス・インターナショナルと提携 /糖尿病網膜症早期発見のためのスクリーニングを拡大(ルワンダ共和国)
医療機器の寄贈を通じて、検診センターを支援。視力低下や失明予防に貢献
Topcon Healthcare Inc.(アメリカ)は、ルワンダ共和国における糖尿病網膜症の早期発見のため、「フライング・アイ・ホスピタル」(空飛ぶ眼科)として40年の実績がある非政府NPOオービス・インターナショナル(オービス)、およびルワンダ国際眼科研究所(RIIO)と提携しました。
この提携をうけて、トプコンは、ルワンダ共和国の首都キガリにある検診センターに、糖尿病患者の眼の定期スクリーニングのため、無散瞳眼底カメラTRC-NW400、NW500を寄贈しました。
無散瞳眼底カメラとオービスが提供するオンライン人工知能(AI)ツール「サイバーサイトAI」を連携させることで、糖尿病網膜症を含む一般的な眼疾患の兆候を数秒で検出することができます。これまで、スクリーニング結果を受け取るのに、数日から数週間待たされることも珍しくなく、フォローアップケアの遅れによる視力喪失のリスクも懸念されていました。しかし、即座に検査結果を得られることで、追加検査や治療のための医療機関への迅速な紹介が可能となり、疾患の進行による視力喪失を防ぐ可能性が高くなります。
「糖尿病網膜症を予防するには、症状の有無に限らず定期的にスクリーニングを受けることが大切です。糖尿病の患者がスクリーニングを受けやすくなり、糖尿病網膜症の兆候をいち早く発見し、適切な治療を受けることができれば、軽症のうちに進行を食い止めることができます。」とオービスのCiku Mathenge医師は語ります。
ルワンダにおける糖尿病網膜症の急増と早期発見の重要性
「糖尿病網膜症」は、腎症・神経症と並ぶ糖尿病の三大合併症のひとつで、網膜の血管に起こる障害です。初期の時点では視力低下や自覚症状はほとんどなく、治療せずに放置すると失明に至ることもあります。日本でも成人の失明原因の上位にあげられています。
ルワンダ共和国には約30万人*1の糖尿病患者がおり、その約3人に1人(10万人)が糖尿病網膜症を発症する可能性があると言われています。加えて、恒常的な医療従事者不足(サハラ以南のアフリカでは100万人あたり眼科医が3.7人)*2を踏まえると、この地域でのスクリーニングの普及や糖尿病網膜症の早期発見は、医療負担の軽減にもつながる価値のある取り組みと言えます。
当社グループは、眼疾患の早期発見・早期治療の仕組みづくりを通して、眼健診を推進し、より多くの人が健康で快適な生活を送れる未来を目指しています。
引用元:
*1 https://idf.org/our-network/regions-and-members/africa/members/rwanda/
*2 https://www.ophthalmologytimes.com/view/study-shows-high-patient-satisfaction-with-ai-eye-screenings